フリーランスになってから8年。法人化してから2年。
この10年間で、税理士さんに払ってきたお金、いくらだと思いますか?
「税理士って高そう」というイメージを持っている人も多いんですよね。でも実際のところ、依頼する内容や規模によって全然違うので、ネットで相場を調べても「で、自分はいくらになるの?」ってモヤモヤしたまま、という人が多い気がします。
この記事では、私・佐藤あかり(フリーランスのグラフィックデザイナー)が実際に払ってきた金額を年別に全部公開します。相場の話も絡めながら、正直に書いていくので、これから税理士への依頼を考えている方の参考になれば嬉しいです。
目次
まず結論から。私がこれまで払ってきた税理士費用の全記録
最初に一覧でまとめておきます。
| 時期 | 依頼内容 | 年間費用 |
|---|---|---|
| フリーランス1〜3年目(26〜28歳) | 自力で確定申告(税理士なし) | 0円 |
| フリーランス4年目(29歳) | 確定申告のみスポット依頼 | 70,000円 |
| フリーランス5年目(30歳) | 確定申告のみスポット依頼 | 70,000円 |
| フリーランス6〜7年目(31〜32歳) | 月次顧問+確定申告 | 約200,000円/年 |
| 法人化1年目(32歳) | 法人顧問契約(月額+決算料) | 約360,000円/年 |
| 法人化2年目(33〜34歳) | 法人顧問契約(現在) | 約360,000円/年 |
こうして並べると、法人化を境に一気に費用が跳ね上がっているのがわかりますよね。でもそれには理由があって、依頼内容がぜんぜん違うんです。以下で順番に説明していきます。
フリーランス1〜3年目:税理士なしで自力申告していた時期
フリーランスになった当初は、正直「税理士に頼む」という発想自体がありませんでした。
デザイナーとして独立したばかりで売上もそこまで大きくなかったし、「確定申告くらい自分でやれるでしょ」って気持ちだったんですよね。クラウド会計ソフトを使えば何とかなるだろうと思っていたし、実際なんとかはなっていました。
そもそも「頼む」という発想がなかった
フリーランス1年目は、とにかく仕事を取ることで精一杯でした。確定申告のことを本格的に考えたのは、独立して最初の年の2月ごろ。会計ソフトにレシートを入力しながら、「これって本当に合ってるの?」という不安はあったんですが、調べれば何とかなると思っていました。
ただ、今思えばかなり雑な申告をしていたと思います。経費の判断が曖昧だったし、青色申告の特別控除もちゃんと使えていたか怪しい部分がありました。
自力申告の限界を感じた出来事
転機になったのは、フリーランス3年目の年末。その年から売上が少し伸びてきて、仕事の規模が大きくなってきたタイミングで、知り合いのフリーランサーから「去年の確定申告、税理士に見直してもらったら追徴課税になりかけた」という話を聞いたんですよね。
それを聞いて、「あ、自分も危ないかも」と急に焦りました。その時点ですでに3年分の申告が終わっていたので、さかのぼって修正することはしませんでしたが、翌年からちゃんと税理士に頼もうと決めました。
フリーランス4〜5年目:初めて確定申告だけ税理士に依頼した
スポット依頼(確定申告のみ)の費用:年間7万円
最初は「まず一度試してみよう」という気持ちで、確定申告の申告書作成だけをスポットでお願いしました。料金は70,000円(税抜)でした。
売上が年間400〜500万円くらいの時期だったので、相場的には妥当なラインだったと思います。フリーランスの確定申告のスポット依頼の相場は、売上規模によって変わりますが、だいたいこんな感じです。
| 年間売上 | 確定申告スポット依頼の相場 |
|---|---|
| 500万円未満 | 60,000〜80,000円 |
| 500万〜1,000万円 | 80,000〜120,000円 |
| 1,000万〜3,000万円 | 120,000円〜 |
何を依頼して、何をしてくれたのか
私がお願いしたのは「1年間の帳簿と領収書を渡して、申告書を作ってもらう」というシンプルな内容です。記帳代行は含まず、クラウド会計ソフトで自分で入力したデータをチェックしてもらいながら申告してもらう形にしました。
依頼してみてびっくりしたのは、「これ経費に入れちゃダメです」「逆にこれは経費にできますよ」という指摘がいくつもあったこと。自力でやっていた頃の「なんとなくの判断」がいかに怪しかったか、身に染みました。
「もっと早く頼めばよかった」と思った理由
7万円を払って思ったのは、「この安心感は7万円以上の価値がある」ということ。税務署への問い合わせ対応も含まれていたし、なにより「ちゃんとやれている」という精神的な余裕が生まれたのが大きかったです。
正直、最初の3年間の自力申告が少し怖くなりましたが(笑)、それはもう過ぎたことなので前を向くことにしました。
フリーランス6〜7年目:顧問契約に切り替えた
月次顧問料+確定申告料の内訳:年間約20万円
フリーランス5年目が終わる頃、売上が年間700〜800万円くらいになってきて、取引先も増えてきました。そのタイミングで「毎年スポットで頼むより、顧問契約にした方がいろいろ相談できて便利かも」と思い、同じ税理士事務所と顧問契約を結ぶことにしました。
費用の内訳はこんな感じです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月次顧問料 | 10,000円/月 |
| 確定申告料 | 80,000円(年1回) |
| 合計(年間) | 200,000円 |
月1万円の顧問料で、日常的なちょっとした税務相談(「これって経費になりますか?」「インボイス登録どうしましょう」など)ができるようになりました。
顧問契約にした決め手と、実際に変わったこと
一番のメリットは「気軽に質問できる」ことでした。スポット依頼だと、何か聞くたびに追加料金が発生する感じがして質問しにくかったんですよ。でも顧問契約にしてからは、気になったことをサクッとメールや電話で聞けるようになって、仕事の判断が早くなりました。
記帳代行はあえてつけなかった理由
顧問契約の際、「記帳代行はどうしますか?」と聞かれましたが、私は断りました。理由は単純で、クラウド会計ソフトを使っていれば自分でできる作業に、月1〜3万円追加で払うのがもったいなかったから。仕訳数が少ない個人事業主なら、記帳は自力でやったほうがコストを抑えられます。
法人化後:税理士費用はこんなに変わった
32歳のとき、法人化しました。このタイミングで税理士費用が大きく変わります。
法人の税理士費用相場(売上規模別)
法人の税理士費用は、個人事業主とは比べものにならないくらい上がります。法人は申告書類の種類が多く、税務処理も複雑になるためです。
| 年間売上規模 | 月次顧問料の相場 | 決算申告料の相場 | 年間目安 |
|---|---|---|---|
| 〜1,000万円 | 15,000〜20,000円 | 100,000〜150,000円 | 28〜39万円 |
| 1,000〜3,000万円 | 20,000〜30,000円 | 150,000〜200,000円 | 39〜56万円 |
| 3,000〜5,000万円 | 30,000〜50,000円 | 200,000〜300,000円 | 56〜90万円 |
私の場合:月額2万円+決算料12万円=年間約36万円
法人1期目は売上が1,000万円前後だったこともあり、こんな契約になりました。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 月次顧問料 | 20,000円/月 |
| 決算申告料 | 120,000円(年1回) |
| 合計(年間) | 360,000円 |
個人事業主時代の20万円から一気に36万円へ。正直「高っ」と思いました(笑)。でも法人決算は本当に複雑で、自分でやるのは現実的ではないし、税理士なしで法人を運営している知人が申告でミスって痛い目に遭っているのを見ていたので、ここは惜しまないことにしました。
法人向けに税理士を選び直した話
実は、法人化のタイミングで税理士を新しく探しました。個人事業主時代にお世話になっていた先生は法人対応もできるのですが、法人に特化した税理士の方が経営に関するアドバイスも深いと聞いて、改めて比較検討したんです。
このとき使ったのが、法人向けに優秀な税理士を紹介してくれる、株式会社ウェブブランディング運営の「税理士ベスト」です。法人の規模や業種に合った税理士を紹介してもらえて、複数の候補から選べたのがよかったです。個人事業主時代は「知り合いの紹介」で決めていたので、ちゃんと比較して選んだのは法人化後が初めてでした。
税理士費用を左右する5つの要因
「相場は分かったけど、自分はいくらになるの?」という疑問に答えるために、費用に影響する要因をまとめておきます。
1. 売上規模
売上が大きくなるほど取引数が増え、仕訳数も増えます。当然、税理士の作業量が増えるので費用も上がります。
2. 訪問頻度
毎月訪問してもらうのか、3ヶ月に1回なのか、年1回なのかによって料金が変わります。最近はオンライン対応が増えているので、訪問なしにするとコストを下げられるケースも多いです。
3. 記帳代行の有無
自分でクラウド会計ソフトに入力できれば、記帳代行は不要。月1〜3万円の節約になります。
4. 業種の複雑さ
飲食店や建設業など、仕訳が複雑な業種は割増しになることがあります。デザインや執筆など比較的シンプルな業種は標準料金になりやすいです。
5. 個人事業主か法人か
個人事業主(確定申告)と法人(法人税申告)では、必要な申告書類の種類と複雑さがぜんぜん違います。法人の方が費用は高くなります。
税理士費用は経費になるの?
気になる人も多いと思うので、ここで触れておきます。
結論からいうと、事業に関連した税理士費用は経費として計上できます。日々の記帳代行費用も、確定申告や法人決算の申告代行費用も、全て対象です。勘定科目は「支払手数料」や「支払顧問料」を使うことが多いです。
ただし、例外として相続税の申告を頼んだ場合の費用は経費にならないので注意が必要です。
また、税理士への報酬を支払う際は、源泉徴収が必要です。詳しくは国税庁のタックスアンサー(No.2798)で確認できます。
費用を抑えたいときに試してほしいこと
「できれば費用を抑えたい」というのは正直な気持ちですよね。私が実際にやってみて効果があったことをまとめます。
クラウド会計ソフトで自計化する
freee・マネーフォワード・弥生などを使って自分で記帳すれば、記帳代行費用がまるごとなくなります。慣れれば毎月1〜2時間で済むので、コスパは高いです。
訪問回数を減らす
毎月の対面打ち合わせをオンラインや電話に変えるだけで、費用が下がることがあります。特に決算期以外の月は「必要なときだけ連絡する」というスタイルにすると効率的です。
複数の税理士から見積もりを取る
同じ依頼内容でも、事務所によって料金はかなり差があります。2〜3社から見積もりを取るだけで相場感がつかめるし、交渉の余地も生まれます。私が法人化のタイミングで税理士を探し直したのも、この「ちゃんと比較する」という経験をしたかったからでもありました。
まとめ:「高い」か「安い」かは依頼内容次第
10年間の振り返りで気づいたのは、税理士費用は「高い投資か安い投資か」じゃなく、「依頼内容に対して適正かどうか」で判断すべきだということです。
フリーランス初期に7万円払ったスポット依頼は、当時の私には十分すぎる価値がありました。法人化後の36万円も、法人税務の複雑さを考えたら妥当だと思っています。
大事なのは「なんとなく安い税理士を選ぶ」ことではなく、「自分の規模と依頼内容に合った費用感の税理士を選ぶ」こと。
これから税理士を探す方、特に法人化を検討している方は、ぜひ複数の選択肢を比べてみてください。私が法人化のタイミングで感じた「ちゃんと比べてよかった」という安心感は、なんにも変えられないものでした。